岩川光は日本人でありながら、今日、最も注目され、かつ、才能あふれるケーナ奏者の一人である。9歳からケーナを学び始め、その後すぐにシーク(サンポーニャ)やオカリナなど他の管楽器の技術も習得した。またほぼ同時に、バロック・リコーダーの技術も学んだ。このことが彼の演奏を特徴づける技術、つまり現代的なリコーダー奏法やバロック期のフルート奏法などを応用して彼が独自に生み出した、革新的なケーナ奏法による演奏を可能にしている。彼の音楽は彼が学び、聴き込んでき
たあらゆる音楽の要素、つまりクラシカルな音楽や現代音楽、前衛的ジャズや即興音楽などと呼ばれるものも含めた多種多様な音楽的要素を持っている。西洋音
楽の語法、作曲法と非西洋の音楽を同時に学んだ彼は、ケーナというこの小さな笛、そして彼のコンサートではしばしばリコーダーやシークやオカリナも用いな
がら、新たな音楽を表現し続けている。2008、2009年と彼は自身の音楽的探究を続けるためボリビア、アルゼンチンに単身渡航している。その後、2010年には最初のCDアルバム「Diálogos sin Palabras」を発表して話題を呼んだ。彼はケーナのソリストとして、エク
アドルのキトで行われた「Músicas del mundo
2011」などの各国の様々なフェスティバルにも招聘され公演している。また「Quique Sinesi & Hikaru Iwakawa
Duo Japan Tour
2012」など様々なコンサート、ツアーを各地で開催している。また、これまでにディノ・サルーシ、フアン・ファルー、キケ・シネシ、シルビア・イリオン
ド、エクアドル・アンデス楽器オーケストラ、ノラ・サルモリア、フランコ・ピンナ、ホセ・サルーシ、フランコ・ルシアーニ、ダミアン・ベルドゥン、エクトル・オサキ、マルコス・フェルナンデス、
鬼怒無月、佐藤芳明などといった、国内外の音楽シーンを代表する優れたアーティストと共にコンサートで演奏してきた。また2013年には自身の作品発表や活動プロデュース、マネージメントのためのインディペンデント・レーベル【LUCES DE MADRUGADA】を設立した。2013年3月からは、アルゼンチ
ンのブエノスアイレスに拠点を置き、キケ・シネシとのデュオ、ディノ・サルーシ親子とのトリオの他、多様な芸術性を持った音楽家、アーティストとコラボ
レーションをしながら、多くのプロジェクトを同時に進行させ、活発な音楽活動をしている。